縁って、

 

切ろうと思って切れるものではないし、繋ごうと思って繋げるものではない。

 

前世からの持ち越しや、やり直し、もう一度一緒にいたいと思う強い思い。

 

前世で上手に出来なかったことのやり直しや、終わっていない学びのために人は出会います。

 

これは私のお話し。

 

もう20年位前になります。

 

ガイドさんに連れて行ってもらった、お店のショーに出ていたダンサーの彼。

 

彼の回りだけ光って、彼が浮かび上がって見えました。

 

背が高くて、おとこ前!

 

うっとりと見惚れます。

素敵な彼でした。

 

その出会いから数ヵ月後、

旦那様に見込まれた彼は、

私と旦那様のボディーガードとして働くことになったのです。

 

私達は、

前世で夫婦でした。

 

自然の流れです。

縁があるので、繋がっていきます。

 

前世の借りを返すために。

 

ヨーロッパのある街。

栄えてはいない、

周りは砂漠のような感じ。

遠くまで見渡せる。

 

お城の高い所から彼女は遠くを見ている。

前世の彼です。

 

私の前世の名前はモルク。

 

城を守るため、モルクはあちこち飛び回り、戦いに出ます。

 

新婚間もない夫婦ですが、ほとんど一緒にいることはありません。

 

戦いから戻り、少し休んだら又出掛けるの繰り返し。

 

嫁いで直ぐの花嫁は、その日から慣れない城で故郷を思い、出掛けた夫の無事を祈るだけのさみしい毎日。

 

元々身体の弱かった彼女は、

嫁いで3年たった頃、病気でひとりさみしく命をおとします。

 

駆けつけたモルクは、

冷たくなった彼女を抱き上げ、

自分のしてきた事を後悔しました。

 

時間が作れなかった訳ではない。

どれだけ寂しかったことでしょう。

 

もっと一緒に過ごしてあげれば良かった。

旅行もすれば良かった。

食事も一緒にすれば良かった。

 

涙を流しながら後悔。

モルクの強い悲しみは、魂の中にしっかり記憶されて、今生の私は生まれて来ました。

 

今生で私達の仕事を手伝うようになり、

一緒に過ごすうち、私は彼がとても可愛くなっていきます。

 

美味しいものを食べさせてあげたい、旅行に連れて行ってあげたい。

彼が楽しそうにしているのを見ているだけで幸せでした。

 

旦那様も彼が大好きになりました。

 

ある時、

彼と私の前世が見えました。

 

あーだから私は彼にいろいろしてあげたかったのね。

府に落ちました。

 

前世で一緒に過ごした3年、

今生で3年一緒に過ごした時に、ふと前世の借りは返した!

そう思います。

 

ですが、変わらない日々。

 

それから2年たった時、

彼には充分なことをしてあげた。

自分の中に不思議な満足感を感じました。

 

モルクの後悔の念が解放されました。

 

別にトラブルがあった訳ではない、

それきり、彼に連絡をする事がなくなりました。

彼からも連絡が来ることもありませんでした。

 

ある日突然、

話し合うこともなく、

私達は、それ以来一度も会っていません。

 

不思議な別れです。

 

その前世には続きがあります。

 

再婚したモルク、

時は流れ、

今の息子がその前世では孫。

 

とても優しい青年。

決められた結婚だったけど、彼は妻を心から愛し、大切にしました。

妻は夫に心から感謝しています。

 

その妻が、今の旦那様です。

 

今世では、

私は二人を繋ぐ役目をしました。

 

今世では、

血の繋がりはないけれど、とても良い親子だと思います。

 

そして、

今世で学びがある人からは、

自分の人生に大きな影響をもらいます。

 

前世で一緒だった彼の事。

 

彼はお母さんが14歳の時の子供です。

 

14歳の親には生活力があるはずもなく、

とても貧しく育ちました。

 

小学校は4年で中退して、

10歳から働いて家族を支えてきたそうです。

 

妹は自分が中学を出してあげたんだ!

妹は中学出てるんだよ!

 

彼の自慢でした。

 

ある時、

何か、書いた文字を唾をつけて、指でこすってキレイに消して、笑顔で私に言います。

 

上手でしょ(^o^)

 

僕は消しゴムを持った事がないから、上手に消せるのさ!

鉛筆も友達の捨てたのを拾って使ってたから、小さな鉛筆でも字が書けるよ!

 

自慢気に笑顔で話します。

 

私よりずっと年下です。

私の子供の頃でさえそんな事はなかった。

 

今でもそんな子供はいるかな?

 

沢山いるよ!

学校へ行けない子も沢山いる!

 

そうだ!

家にゴロゴロしてる文房具とか持って来たら喜ぶかな?

 

自宅で使ってないものを集めて、タイに運びました。

 

今でも続いている、タイの子供達の支援活動は、その彼との出会いがきっかけで始まりました。

 

私の人生に大きな影響を与えた人でした。

 

時々、

元気にしてるのかな?って思います。

 

学びが終わって、

もう会うことがないでしょうが、

 

彼が幸せでいてほしいと心から願います。